賃金検算デモ 手順書

11/16(月)はじめの一歩講座・第1部のメイン実演(約10分・高井さん+室井)/台本・プロンプト・図解・録画の撮り方をこの1枚にまとめたもの

全体像

完成品を見せて「すごい」で終わらせない。「この頼み方なら、自分にもできそう」と思って帰ってもらう。画面の主役はAIへの頼み方。関数の中身は見せない。

持ち帰ってもらう3つ

  1. AIに渡すのは「決まり」の書類だけ。名前は、渡す前に人が消す
  2. 計算は表、説明はAI。給料の数字を判定するのは表
  3. 計算が合っていることと、給与が正しいことは別。最後に決めるのは人

手順と、10分の流れ

時間場面やる人見せ方
0:00〜1:00問いかけ—ライブ
1:00〜2:00手順0:名前を消す人ライブ(下の図解を画面共有)
2:00〜3:30手順1:条件を文字に書き出すAI録画①
3:30〜4:45手順2:確認ルールを3つAI録画②
4:45〜6:30手順3:赤くなる表/手順4:数字を入れるAI/人録画③
6:30〜8:30手順5:赤いところの理由を聞くAIライブ(失敗したら録画④)
8:30〜10:00まとめ → 高井さんへ—ライブ
本番のライブは手順5だけ。数字を入れる場面(手順4)は、式が壊れて止まると立て直せないので必ず録画にする(練習のときに #REF! が出て止まったことがある)。

問いかけ

0:00〜1:00ライブ

画面:架空の給与明細とタイムカードを並べて見せる

こちら、ある会社の今月の給与明細とタイムカードです。もちろん全部、架空のものです。
この明細、合っていると言い切れますか?
毎月、何人分もこれを目で確かめるのは大変ですよね。今日は、この確認をAIに手伝ってもらいます。
ただし、社員さんの名前は、AIに一度も渡しません。そのやり方から見ていきます。

手順0 名前を消す

1:00〜2:00ライブ人がやる

画面:この図解を画面共有する(右上のボタンで動きを止められる)

手順0AIに渡す前に、人が名前を消す

元の書類(架空)

雇用条件書

氏名
グエン・ヴァン・アン
生年月日
2001年4月12日
在留カード番号
AB12345678CD
会社名
株式会社サンプル製作所
所在地
静岡県〇〇市〇〇町1-2-3
労働時間
8:30〜17:00(休憩60分)
賃金
月給 167,979円
締め・支払
毎月15日締め・25日払い
控除
食費・居住費 15,000円
人が消す 黒く塗る/
写らないように
スクショ

AIに渡すのは、こちら

雇用条件書

氏名
グエン・ヴァン・アン
生年月日
2001年4月12日
在留カード番号
AB12345678CD
会社名
株式会社サンプル製作所
所在地
静岡県〇〇市〇〇町1-2-3
労働時間
8:30〜17:00(休憩60分)
賃金
月給 167,979円
締め・支払
毎月15日締め・25日払い
控除
食費・居住費 15,000円
AI(ChatGPT)
AIに「名前を消して」と頼むと、消す前の書類をAIに渡すことになる。学習オフは最低限。そのうえで、消してから渡す。
AIに渡す前に、名前・会社名・住所・在留カードの番号を消します。これは人がやります。
AIに「名前を消して」と頼むと、消す前の書類をAIに渡すことになるからです。
学習に使わない設定にしておくのは最低限。そのうえで、消してから渡します。

渡す書類:雇用条件書・36協定・就業規則(労働時間と賃金の章だけ。改訂があれば改訂の分も)。消すもの:名前・生年月日・国籍・会社名・住所・電話番号・代表者名・在留カード番号などの番号。

手順1 条件を文字に書き出してもらう

2:00〜3:30録画①

やること:ChatGPTを一時チャットで開く → 下の「架空の雇用条件書」を貼る → 続けてプロンプトを送る

貼るもの:架空の雇用条件書(名前は空欄)
雇用条件書(デモ用・架空)
※会社・人物・数字はすべて架空です。実在の書類ではありません。

会社名:サンプル製作所(架空)
労働者の氏名:(空欄)
仕事の内容:金属部品の溶接
勤務地:静岡県

1. 労働時間
・始業 8時30分/終業 17時00分
・休憩 60分
・1日の所定労働時間:7時間30分
・年間の所定労働時間:1,837.5時間(1か月平均 153時間7分)
・休日:毎週日曜日、その他会社カレンダーによる

2. 賃金
・基本賃金:月給制
・時間外労働の割増賃金率
 - 法定時間外(1日8時間・週40時間を超える分):25%
 - 所定時間外で法定時間内(7時間30分を超え、8時間以内の分):割増なし(通常の賃金を支払う)
 - 法定休日:35%/深夜:25%
・賃金締切日:毎月15日
・賃金支払日:毎月25日
・支払方法:口座振込

3. 賃金から控除するもの(労使協定による)
・税金、社会保険料・雇用保険料
・住居費:月15,000円
プロンプト①(手順1)
この書類から、毎月の給与が正しいか確かめるのに必要な条件(労働時間・休日・賃金・割増率・締め日と支払日・控除)だけを書き出してください。人の名前・会社名・住所・電話番号などが残っていたら、書かずに飛ばしてください。

返ってきてほしいこと:6項目(労働時間・休日・賃金・割増率・締め日と支払日・控除)が、名前なしで並ぶ。名前が残っていないかは人が目で確かめる。

書類がそのまま、確認に使える条件の一覧になりました。名前はどこにも出ていません。
書類を文字に起こすだけで、「ここが合っていないかも」とAIが教えてくれることもあります。
後半の「名前が残っていたら飛ばして」は、消し忘れたときの保険。これを頼りにはしない。

手順2 確認ルールを3つ作ってもらう

3:30〜4:45録画②

やること:手順1の返事に続けて、同じチャットで送る

プロンプト②(手順2)
この条件をもとに、毎月の給与で間違いが起きやすいところを3つに絞って、確認ルールにしてください。最低賃金を下回っていないかも含めてください。

返ってきてほしいこと:①最低賃金 ②残業代の計算 ③控除と支払日(または手取り)。最低賃金は、AIが静岡県の1,154円(2026/10/15から)を調べて出す。

たくさん出させず、3つに絞ってと頼むのがコツです。全部見ようとすると、毎月続きません。
よく見ると、AIの計算が少しずれています。だから、計算そのものは表にやらせるんです。(練習で、AIが必要な月給を176,705円と計算したことがある。正しくは176,707円)

手順3・4 赤くなる表を作り、数字を入れる

4:45〜6:30録画③手順4は人がやる

手順3:表を作ってもらう

プロンプト③(手順3)
このルールで、確認が必要なところが赤くなる表を、Googleスプレッドシートで作ってください。数字を打つ欄は黄色に、計算式が入っている欄は灰色にしてください。

表ができたら、数字を入れる前に2つやる。

追加で頼むとき
数字を打つ欄を黄色、計算式の欄を灰色にしてください。

手順4:社員Aの数字を入れる(AIには渡さない)

下の数字をメモ帳に用意しておき、表の黄色の欄に貼り付ける。欄の名前は、ChatGPTが作る表によって少し変わる。

社員Aの数字(架空・2026年10月分)
最低賃金の対象となる月給:167979
適用する最低賃金(円/時):1154
年間所定労働時間:1837.5
法定内の時間外(時間):0.5
法定時間外(時間):1
通常の時給:1097
法定内の時間外の支給額:549
法定時間外の支給額:1372
深夜・法定休日・月60時間超:0
支給総額:169900
税・社会保険等の控除:24000
住居費の控除:18000
差引支給額:127900
実際の銀行振込額:127900
判定出てほしい色理由
最低賃金赤時給に直すと1,097円で、1,154円を下回る
残業代緑0.5時間×1,097円=549円、1時間×1,097円×1.25=1,372円で一致
控除・振込赤住居費が条件書の15,000円より3,000円多い(表の作りによっては、ここが緑になることもある。そのときは手順5でAIが拾う)
給料の数字を入れたのは、AIではなく表です。計算しているのも表なので、何回やっても同じ答えになります。
AIに頼んだのは、表の作り方だけです。
止まらないための決まり
・数字を打つのは黄色の欄だけ。灰色の欄(計算式)にはさわらない
・切り取り(Ctrl+X)とドラッグでの移動は使わない。打つか、コピー&貼り付けだけ(切り取りやドラッグをすると、その欄を指していた式が #REF! に壊れる)
・入れ終わったら、判定の欄に #REF!・#VALUE! が出ていないかを見てから次へ進む
・#REF! が出たら:いちばん左の #REF! の欄をクリック → 1つ上の行の同じ列をコピー → 壊れた欄に貼り付け
・#VALUE! が出たら:数字が全角か、「円」「,」が付いている。半角の数字だけで打ち直す

手順5 赤いところの理由を聞く

6:30〜8:30ライブ予備:録画④

やること:同じチャットに、下をまるごと1回で送る(数字の文を付けずに問いかけだけ送ると、AIは空の表を見て一般論で答えてしまう)

プロンプト④(手順5)数字+問いかけ
社員A/2026年10月分/勤務地は静岡県/最低賃金の対象となる月給167,979円/年間所定労働時間1,837.5時間/適用した最低賃金1,154円/法定内時間外0.5時間・支給549円/法定時間外1時間・支給1,372円/支給総額169,900円/税・社会保険等の控除24,000円/住居費の控除18,000円/差引支給額127,900円
条件書の控除:税金、社会保険料・雇用保険料、住居費 月15,000円
判定:最低賃金=要確認、残業代=OK、控除・振込=要確認

この表で「要確認」になった理由と、人が確かめるべきことを教えてください。

返ってきてほしいこと(10/30の練習で全部出た)

残業代は、表ではOKでした。でもAIは「時給そのものが最低賃金を下回っているなら、残業代の元も直す必要がある」と教えてくれました。
計算が合っていることと、給与が正しいことは別なんです。
本当に違反かどうかを決めるのは、人です。必要なら社労士さんに相談してください。
失敗したとき:録画④に切り替える。返事が長いとき:スクロールせず、該当の段落だけ指して読む。

まとめ

8:30〜10:00ライブ(室井 → 高井さん)

画面に出すまとめ(この表を画面共有する)

手順やることやる人
0書類から名前・会社名・番号を消す人
1条件を文字に書き出してもらうAI
2確認ルールを3つ作ってもらうAI
3赤くなる表を作ってもらうAI
4明細・タイムカードの数字を表に入れる人(判定は表)
5赤いところの理由を聞くAI
自分の会社の条件で作りたい方は、講座のあとにご相談ください。

→ 高井さんから、現場のお話をひと言いただく

録画の撮り方(11/6目安)

すべて架空のデータで、ChatGPTの一時チャットで撮る。上の手順1〜5を、上から順にそのまま進めれば撮れる。

録画中身長さ
①手順1:条件書を貼る → プロンプト① → 条件が文字で返る1分半前後に編集
②手順2:プロンプト② → 確認ルールが3つ返る1分強に編集
③手順3・4:プロンプト③ → スプレッドシートに変換 → 社員Aの数字を貼る → 赤と緑が出る1分半〜2分に編集
④手順5:プロンプト④ → 理由が返る(ライブの予備)1分前後

高井さんにご確認いただきたいこと

業務の上で、次の見立てで合っているかをご確認いただけますでしょうか。

  1. 最低賃金:月給制の人の時給は「月給 × 12 ÷ 年間所定労働時間」で出し、静岡県の最低賃金(2026/10/15から1,154円)と比べる、という説明でよいか
  2. 住居費:条件書と違う額が控除されていたら、合意や労使協定があるかを確かめる、という説明でよいか
  3. 残業代:元の時給が最低賃金を下回っているなら、残業代も計算し直す必要がある、という説明でよいか
  4. 言い方:講座で言い切ってはいけないところ、現場の感覚とずれているところがないか

録画①〜④は、こちらで11/6ごろまでに撮ります。

2026-10-30 室井